相続時精算課税制度

普通の人はあまり利用したがらないのが相続時精算課税制度

相続時精算課税制度│役所へ行こう.com相続時精算課税制度は、2500万円までなら贈与税は免除とする代わりに、相続時にはこれまで贈与してきた財産を全部相続財産にプラスし、相続税を再計算して課税する制度です。使えるメリットは限られてきますから、両手をあげて薦めるものではありませんが、一応名の通った制度ですから挙げておきましょう。

相続時精算課税制度は、得に思える面もありますが、これまで通り、基礎控除の年間110万円を使って暦年課税していたほうが、はっきり言って安全です。なぜなら、2500万円までなら贈与税は免除としますが、贈与してきた財産は相続時にしっかり課税されるからです。
また、一旦相続時精算課税を選んでしまうと、後から止めますとは言えなくなります。こうした理由もあって、積極的に使ってみようと思えないのではないでしょうか。

そんな相続精算課税制度ですが、平成27年1月の税制改正で、贈与者の年齢要件が60歳以上に引き下げられ、贈与者に祖父母が追加されました。また受贈者の範囲も、新たに20歳以上の孫を含むことになったわけです。
しかし、制度が変わっても、以前より利用しやすくなったとはとても言えません。

相続時精算課税制度を上手に活用する方法・場面は無くもありません。たとえば、賃貸マンションの贈与を受けた場合など、当初の2500万円まで贈与税は免除されるのですから、家賃収入を相続時まで貯められるという面があります。ただ、これに合致するケースは、普通の人にはあまりなさそうです。適用を検討するには、十分に注意したほうが良さそうです。

なお、小規模宅地等の特例の適用要件を満たしている宅地に相続時精算課税制度を使って贈与を行うと、相続発生時に小規模宅地等の特例の適用を受けられません。小規模宅地等の特例の適用要件を満たしている宅地を贈与する際は、相続時精算課税制度を使わない方が良いでしょう。
(小規模宅地等の特例とは、特定居住用宅地の評価額を大幅にカットできる、非常にメリットの大きい制度です)

対象者 贈与を受け、相続時精算課税制度の利用を選択した人
必要書類 相続時精算課税選択届出書、受贈者や贈与者の戸籍の謄本又は抄本その他の書類、受贈者が20歳に達した時以後の住所又は居所を証明する書類
贈与者の住民票の写しその他の書類で、贈与者の氏名、生年月日を証する書類、贈与者が60歳に達した時以後の住所又は居所を証明する書類等
申請期限 その年度の贈与税(または相続税)の申告の相談及び申告書の受付期間
申請先 納税地の所轄税務署

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